私たちダイバーシティ工房は、2010年から千葉県市川市を中心に生きづらさを感じている子どもたちとその保護者に対し支援を行っている、市川市条例規定NPOです。
「いつかの自分みたいな子が安心して来れる場所を作りたい」
ダイバーシティ工房が運営する学習塾の卒業生で、現在はスタッフとして働く八神愛衣はそう語ります。
八神が工房と代表の不破に出会ったのは中学3年生のとき。工房が運営する「自在塾」の生徒としての出会いでした。
八神「自在塾に行ったのは、高校受験が迫っていた1月。入れる高校がなかったから毎日自習に行っていました。塾長(代表不破の父)が見に来てくれて「わからないところある?」って聞いてくれたり、不破さんのお母さんがおにぎりをくれたり、いつも応援してもらっていました」
そのころの思い出は「すき焼き」。みんなで囲んだ暖かく楽しい食卓がうれしかったといいます。
八神「授業だと思って塾に行ったら卒業祝いとしてすき焼きが用意されていて、「え!いいの!?」って言いながら、一緒に通っていたみんなとたくさん食べたのを覚えています。すき焼きなんてやる余裕もない家庭だったし、家族と仲良くなかったから、だれかと一緒に楽しくご飯を食べられるのもうれしかった」
その後高校に進学するも、学費が払えずに中退した八神はダイバーシティ工房に職員として勤務しながら通信制高校を卒業し、現在では子どもたちの支援に関わっています。
このような経験をする子どもは八神だけではありません。日本全体では現在7人に1人が「貧困」だと言われています※。
また、貧困だけではなく、障害や虐待など地域にはいろいろな背景を持つ子どもたちがいます。すべての子ども、すべての家庭が安心して暮らせる地域を目指してわたしたちは活動を続けています。
※厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」
なにかあったとき、ふと「相談しよう」と思える場所
わたしたちは家庭の経済力や障害を理由に、学校生活に生きづらさを感じている子どもたちとその保護者に対し
✔ 学習支援の専門集団
✔ 一人ひとりの子どもや家庭に寄り添う専門集団
として0歳から中高生までの切れ目のない支援を行っています。
子どもや親子を支えるような制度や機関は実はたくさんありますが、適切な情報にたどり着くことが難しかったり、制度間の狭間で悩んでしまうことも少なくありません。
「不本意な進学先を選択せざるを得なかった」
「子どものことを誰に相談したらいいかわからない」
「本人も周囲も障害特性を理解できず学校に行けなくなった」
地域で活動を続ける中で多くの人と出会い、たくさんの声を聞いてきました。目の前の人の"ちょっと困った"に合わせて、学習教室・カフェ・コミュニティスペース、保育園などをつくってきました。
制度があるものはうまく活用しながら、制度がないものは自分たちで手づくりをする「工房」として、これからも地域のみなさまと一緒に地域に根ざした活動を続けていきます。
10年間地域に根ざした活動を行ってきました
LINE相談事業「むすびめ」の開始
まだ私たちが支援を届けることができていない方たちに”手を伸ばす”アウトリーチ事業として2020年8月に新たにLINE相談事業を開始しました。事業開始から約半年間で約1,000件のご相談に応えることができました。
無料学習教室、コ ミュニティカフェの運営
地域にとけ込み、誰もが気軽に集まれるコミュニティスペース「地域の学び舎 プラット」を運営しています。中高生を主な対象とした食事つき無料学習教室や、子育て家庭向けのコミュニティカフェが開催されています。
学習に不安がある小中学生を対象とした学習支援事業:5拠点の運営